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2022/02/28

中国でAI搭載の「魔法の鏡」が人気 自宅で双方向フィットネスが可能に

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、「非接触型サービス」が広まっている中国。フィットネス業界も自宅でできるオンライントレーニングが普及している中、大型の鏡に向き合うだけで双方向のエクササイズができる「魔法の鏡」が人気となっている。

 2019年に誕生したばかりの中国のスタートアップ企業、成都擬合未来科技公司(Fiture)が2020年10月に発売したスマートミラー、その名も「魔鏡」。43インチの4Kスクリーンに自分の姿が映るのはもちろん、ミラーに表示されるインストラクターの映像を見ながらエクササイズができる。人工知能(AI)カメラと独自の人体認識システムにより、利用者の連続動作を正確に分析し、改善すべきポイントを細かく指導。ミラーにはスマホのように文字や数字も表示され、「運動時間35分、完成度90%」といった評価も示す。「自分が正しく動いているか分からない」「達成目標がないから続かない」という「おうちエクササイズ」の難点を克服している。

 体験できるプログラムは1000を超える。エアロビクスからヨガ、コンバットトレーニング、ストレッチなど種類は多彩で、10代向け、高齢者向けといった年代別コースもある。価格は4Kスクリーン版が8000元(約14万2299円)、廉価版で3000元(約5万3362円)と安くはないが、利用者からは「体にセンサーやデバイスを着ける必要もないので簡単」「コロナ禍でスポーツクラブに行けない代わりに始めたが、もうこれでクラブに行く時間が節約できる」と評判は良い。成都擬合未来科技公司のデータによると、「魔鏡」ユーザーの月平均トレーニング回数は14.6回で、平均運動時間は30~40分という。毎年11月11日を中心に行われる中国最大のネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」で、今年は「魔鏡」を買い求めるユーザーが相次いだ。

 新しいタイプの商品がブレークすると、多くの企業があっという間に参入するのが、今の勢いある中国経済の特徴だ。ランニングマシンメーカー、フィットネスクラブチェーン、IT企業など20社近くがスマートミラーを発売。3000~1万元(約5万3362~17万7874円)の価格帯が中心で、4万元(約71万1496円)の最高級品も登場。激しい競争から「百鏡大戦」と呼ばれている。

 中国では急速に進む少子高齢化により今後は社会保障費が増大し、経済成長の足かせになる懸念がある。このため、政府は2016年に「国民健身計画2016~2020」という5か年計画を発表するなど、近年は国民に定期的な運動をすることを奨励している。また、経済成長により市民の消費レベルと健康志向がそれぞれ向上し、フィットネスブームが起きている。コロナ禍でもオンラインフィットネスが流行。その流れの中で登場した「魔法の鏡」スマートミラーは、一人一人の市民の体と国家財政をともに「スマート」にしようとしている。

引用 Yahoo!ニュース:
https://news.yahoo.co.jp/articles/98fb50ea70338dacf156551a391274cc49ebb7ee

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